ドナー由来CAR-Tでループスが「薬なし寛解」——CRISPRで作る既製細胞療法の自己免疫データ
重い自己免疫疾患に、がん治療で使われてきた細胞療法を応用する——その流れが、また一歩前に進みました。
【何が報告されたのか】
CRISPR Therapeutics社が、開発中の細胞療法zugo-cel(zugocaptagene geleucel、旧称CTX112)について最新の臨床アップデートを公表しました。zugo-celは、健康なドナーの免疫細胞をCRISPRで編集して作る「既製(オフ・ザ・シェルフ)」のCAR-T療法です。患者ごとに細胞を作る従来型と違い、あらかじめ用意した細胞を必要なときに使えます。
【ループスでの結果】
注目されたのは、全身性エリテマトーデス(SLE、いわゆるループス)など自己免疫疾患の患者を対象としたデータです。報告では、これまで9種類もの治療を試して効果が得られなかったループスの患者が、zugo-celを1回投与した後、約6か月にわたって免疫抑制薬を使わずに寛解(症状が抑えられた状態)を保ったとされています。
【なぜ意味があるのか】
自己免疫疾患では、暴走した免疫のB細胞が自分の体を攻撃します。CAR-TはそのB細胞を一度リセットする発想です。既製型であれば、製造の待ち時間やコストを下げられる可能性があり、より多くの患者に届けやすくなると期待されています。ただし対象人数はまだ少なく、長期的な安全性や効果の持続は今後の臨床試験で慎重に確かめる必要があります。
本記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療方針は必ず主治医に相談してください。
出典: CRISPR Therapeutics プレスリリース (2025年12月22日) https://ir.crisprtx.com/news-releases/news-release-details/crispr-therapeutics-provides-broad-update-zugocaptagene-geleucel/
ir.crisprtx.com