SOD1変異型ALSのsiRNA新薬RAG-17、第1相で髄液SOD1タンパクが低下(コホート1でDay 240に69%)——Nature Medicineに掲載
ALS全体ではなく、原因遺伝子SOD1に変異があるタイプだけを狙った薬。その第1相結果がNature Medicineに載った。患者6人を3人ずつ2つのコホートに分けた小さな試験だが、標的のタンパクは確かに減っていた。
【髄液のSOD1タンパクはコホート1でDay 240に69%低下】
論文の要旨によると、髄液(脳と脊髄を満たす液)のSOD1タンパクは、コホート1(3人)で240日目(Day 240)に69%、コホート2(3人)で210日目(Day 210)に減少幅56%。血漿の神経フィラメント軽鎖(神経の損傷を示す指標)はコホート1で62%、コホート2で52%下がった。いずれもベースラインからの変化で、6人全体の平均値ではない。発表資料は個々の患者の最低値が最大85%に達したとも伝えているが、どの群の値かは要旨に記載がない。
【第1相の主要評価項目は安全性】
要旨によると主要評価項目は安全性で、これを達成。重篤な有害事象は0件、有害事象は6人中2人(33%)に出たが、いずれも軽度から中等度で回復した。髄液SOD1やNfLの低下は副次評価項目であり、症状への効果が証明されたという意味ではない。
【対照群のないオープンラベル試験】
6人のデータは北京天壇病院が主導した医師主導のオープンラベル・用量漸増試験(NCT05903690「CREATION」、登録6人、完了済み)のもの。無作為化も対照群もなく、プラセボとの比較はできない。開発元は別に無作為化・二重盲検の32人試験(NCT06556394)も進めているが、こちらは募集中で結果は出ていない。
【動物実験の数字は人の結果ではない】
同じ発表資料にあるSOD1G93Aマウスの生存期間が最大75.8%(128.5日)延びた、カニクイザルの腰髄でSOD1 mRNAが最大91%減ったという値は、いずれも前臨床(動物実験)のもの。人の第1相の数字とは別物として読む必要がある。
この記事は情報提供を目的としたものです。診断や治療方針は必ず主治医に相談してください。
出典:Nature Medicine / Ractigen Therapeutics(2026年7月15日発表)

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