移植後の慢性GVHDを減らす精密細胞治療TREGZI、米FDAが承認
移植そのものは成功しても、そのあとに続く慢性GVHD(移植片対宿主病=ドナーの免疫細胞が患者の体を攻撃する合併症)が長く患者を苦しめてきた。この積年の課題に対し、ドナー細胞を精密に選別・調製する細胞治療が米国で承認された。
【承認したのは米FDA、対象は限られている】
米FDAは2026年6月30日、Orca Bio社のTREGZIを承認した。適応は成人の血液がんで、HLA適合ドナーからの造血幹細胞移植かつ骨髄破壊的前処置を行う場合に限られる。小児や適合しないドナーは対象外で、日本での承認ではない。
【遺伝子編集ではなく「細胞の選び分け」】
CRISPRのような遺伝子編集治療ではない。ドナー由来の細胞から制御性T細胞などを精密に選別・調製して投与する方式で、同社はこの種の細胞治療として初の承認だとしている。
【第3相試験、12か月時点の数値】
Precision-T(第3相、187人を1対1で無作為に割り付け、年齢中央値43.6歳/19-65歳)の結果。以下はすべて12か月時点。
・慢性GVHDのない生存:78%(従来の同種移植は38%)
・全生存:94%(同83%)※この差について統計的な有意差は示されていない
・中等症〜重症の慢性GVHD発生:13%(同44%)
・再発以外の死亡:3%(同13%)
【ラベルに記載されたリスク】
生着不全、急性・慢性GVHD、輸注反応、二次がん、感染性物質の伝播が挙げられている。
この記事は情報提供を目的としたものです。診断や治療方針は必ず主治医に相談してください。
出典:Orca Bio(2026年6月30日発表)
orcabio.com