老化を「巻き戻す」に資金が集中 — NewLimitが4.35億ドル調達、来年ヒト試験へ
【何が起きたか】
Coinbase CEOブライアン・アームストロング氏が共同創業した米NewLimitが、4億3500万ドルを調達した。企業価値は31億ドル。前回ラウンドから1年足らずで3倍超に膨らんだ。Founders Fundが主導し、Thrive Capitalなども参加している。来年(2027年)、肝臓の細胞を若い状態に戻す治療の初の臨床試験を予定している。
【部分リプログラミングとは】
iPS細胞をつくるときに使う4つの遺伝子(山中因子)を細胞に短時間だけ働かせ、どの遺伝子を使うかを決める目印(エピゲノム)を若いころのパターンに戻す。iPS細胞のように完全に初期化するのではなく、途中で止める — だから「部分」と呼ばれる。細胞の種類は肝細胞のまま、時計だけを巻き戻すイメージだ。
【なぜ今、資金が集まるのか】
同じ賭けに出ている会社は他にもある。ベゾス氏らが出資するAltos Labsは30億ドル規模、サム・アルトマン氏が支えるRetro Biosciencesは評価額18億ドル。個別の病気ではなく老化そのものを標的にする — その市場の大きさに資本が先回りしている構図だ。
【冷静に見るべき点】
部分リプログラミングでヒトでの有効性を示したデータは、まだ一つもない。山中因子は働かせすぎると腫瘍を作りうることが動物実験で知られており、「どこで止めるか」の制御が最大の技術課題になる。ヒトへの投与が始まったのはごく一部(緑内障を狙うLife Biosciencesなど)で、有効性の答えが出るのはこれからだ。
出典: STAT News(2026年6月2日)/ MIT Technology Review(2026年6月12日)
※本記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療方針は必ず主治医に相談してください。

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